今までの歯科治療の可能性を大きく広げた歯科インプラント治療

1950年代、北欧の国、スウェーデンの歴史と権威ある大学、イエテボリ大学のブローネマルク教授が研究室で、その後の歯科治療に大きな革命をおこす幸運な発見をしました。動物の骨を顕微鏡で観察していたところ、その骨が純チタンという金属と、くっついていた事に気づいたのです。
他の金属ではあり得なかったことでした。「チタン金属と骨は癒着(くっつく)する」という事実がこの時、発見されたのです。さらに、他の実験の中から軟組織(歯ぐき等)にも反応がよく、生体への拒絶反応がないということも解ってきました。
その後、同教授は10年以上にわたって、基礎実験と動物実験を重ね、チタンという金属が一定の条件で骨に埋入された場合、骨の拒否反応は全くといってよいほどなく、チタンの表面を覆う酸素の膜を通して強い結合が生まれることを確認しました。そして1965年、初めて人工歯根としての臨床応用がスタートされたのです。

同教授らは、その後15年間に渡って、3千本近くの臨床研究を重ね、その結果を1981年にトロントで開かれた学会で、世界に向けて学術発表しました。研究結果の成功率の高さが評価され、つまり、しっかりとした科学的裏づけをもとに、世界にインプラントが広まっていったのです。では、どうして人間の体にとって異物である金属のインプラント(人工歯根)が体に受け入れられ、自分の歯とおなじような感覚で使えるようになるのでしょうか?それはインプラントが、だだ単に骨に植えられているのではなく、チタンの膜を覆っている酸素分子を通して、天然歯根と同じ く顎(あご)の骨と強く結合し、まるで生きた骨として存在し、安定した状態になるからです。

こうやって、入れ歯でも差し歯でも、またブリッジでもない「歯の機能を根本的に回復させる」インプラント治療がはじまり、歯科治療の可能性を大きく広げたのです。

ブリッジ、入れ歯は根本治療ではありません

不幸にして歯を抜くことになったり、また多くの歯を失ってしまった場合、通常、ブリッジや入れ歯で「治療」することになります。しかしこれらの治療は根本治療ではありません。あくまでも「不完全な代用品」なのです。特に入れ歯の悩みをお持ちの方はよくおわかりと思います。健康な歯の時のように、思いっきり噛むことができないのはもちろん、噛むのがおっくうになり、不完全な咀嚼(そしゃく)から病気の原因になることもあります。ブ リッジの場合、あまり気がつかないこともありますが、これは他の健康な 歯の土台を利用しているので、噛む力が過重にかかりその健康な歯に悪影響を与えることになるのです。そして歯全体の寿命を短くすることにもなるのです。

インプラント治療は言わば「完全な代用品」です。しっかり骨に定着し、健康な歯とまったく変わらず噛むことができます。歯を失った時の根本治療は、インプラント治療しかないと言い切ることもできます。

世界におけるインプラント治療の現状と将来

ブローネマルク教授によるインプラント治療の発見以来、多くの治療法 (インプラントシステム)が開発されています。現在、欧米諸国を中心に多くの国でインプラント治療が実際に行われています。立山歯科で行われているインプラント治療の原点であり国際的なスタンダード、ブローネマルクインプラントシステムを例にとると、現在世界の30カ国以上で実施されており、 毎年数万人の方々が治療を受け、快適な口腔内環境を手に入れています。

日本におけるインプラント治療の現状と将来 

国民皆保険が基本で、健康保険が適応するかどうかが、治療選択の基本になる日本において、これまでインプラント治療は普及が遅れている状態が続いていました。ブリッジ、入れ歯など健康保険が適応する治療に比べて、自費治療であるだけに治療費は高額です。インプラントの方がいいと 分かっていても、なかなか選択できない方が多かったのも事実です。しかし近年、長寿社会を迎え、人生80年、90年が普通のこととなり、長い人生を「しっかり噛める歯」とともに送ることのすばらしさを考える人が増えてきました。
そんな時代背景の中で、今、日本でもインプラント治療を選択する人が増えています。立山歯科グループだけでも一年で数百人の方がインプラン ト治療を選択されています。

食べたい物をおいしく食べる 

インプラント治療のメリットはたくさんありますが、ほとんどの方がそのありがたみを感じるのは「食べたい物をおいしく食べる」ことです。それは堅いものを食べるという機能だけに限らず、豊かな食文化を持つ日本という国に生まれた喜びを、いくつになっても感じていたいという気持ちなのです。

本当のQOLにつながるインプラント治療

自然界で生きる動物は歯を失うと即「死」につながります。人間は幸いにも歯科治療を受けることができ、また噛まなくても栄養をとることができるので、歯をすべて失っても生きながらえることができますが、生活の楽しみは大きく減ってしまいます。食べたい物をおいしく食べることはもちろんですが、旅行にいったりすることも入れ歯になると億劫になります。 またよく噛むことで、カラダ全体の健康につながります。あるデータによ ると健康な歯を多く持つ人ほど、認知症になりにくいそうです。クオリティ・オブ・ライフ(QOL)=「生活の質」を高めるためにインプラント治療はもっとも役に立つ医療と言っても言い過ぎではありません。

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